Google広告基礎編
Google広告を学べば全てに応用が効く
Google広告のことを「運用型広告」と呼びますが、既存のFacebookやX(旧ツイッター)やYahoo! JAPANなどは全てグーグル広告と同等の運用型広告と言えるので、Google広告をマスターすることにより他の広告プラットフォームにも応用が効くようになります。
Google広告が表示される場所は?
グーグル広告が表示される場所は以下の7箇所になります。
①検索広告=Googleの検索結果にテキストとして表示される
②ショッピング広告=検索結果に画像として表示される
③ディスプレイネットワーク=世界中の何百万ものWebサイトやアプリの総称
④YouTube広告=動画共有サイトのYouTubeに広告が出せる
⑤Googleマップ=Googleマップ上に検索結果とともに出る
⑥Gmail=Gmailのメールボックスに広告を表示できる
⑦GoogleDiscoverとGooglePlay=スマートフォンに特化した広告
Google広告配信の流れ
Google広告の配信までの手続きです。
Google広告で大事なことは「配信までの流れ」を理解すること以上に、配信後のPDCAを的確に回すことです。広告の配信後も広告分や掲載面をブラッシュアップすることがとても大事です。
Googleの広告アカウントの階層を知る
「アカウント」内の階層を知ることは戦略上とても重要なことです。
その階層を分けることによって商品区分ごとの広告戦術を変えることができるのがこの階層別に広告を管理するということす。
アカウントは3階層になっていて、中身は「アカウント」⇨「キャンペーン」⇨「広告グループ」に分かれていて、「広告グループ」はさらに「ターゲティング」と「広告」に分類されます。
先に知っておきたいこと
広告配信レポートでは、上の「キャンペーン」「広告グループ」「ターゲティング」「広告」の各階層で統計情報を見ることができます。
広告の表示と広告ランク
広告の表示は「広告ランク」によるオークションで決まります。
「広告ランク」は、「上限入札単価」と「広告の品質」の掛け算で決まります。ひとつの広告枠に対して、最も高い「広告ランク」の広告が表示されます。
上限入札単価とは=広告がクリック、または1000回表示された時にいくらまで支払うかの限度額を設定する項目。
「広告の品質」を決める3つの要素
実際の「広告の品質」は非公開ですが、公表されているのでは、「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3つが挙げられています。
入札単価による表示の概念
上限入札単価 | 広告の品質 | 広告のランク | 備考 | |
広告A | 80円 | 10 | 800 | 表示される広告 |
広告B | 110円 | 6 | 660 | |
広告C | 150円 | 4 | 600 | |
広告D | 80 | 1 | 80 | オークションに参加できない |
セカンドプライスオークションを知る
通常のオークションは最も高い金額を提示した人が入札者となるのですが、セカンドプライスオークションは通常のオークションとは異なった概念です。計算式を下に提示しておきますが、言葉で言うと「2番目の入札者の1円上で入札」と言う概念になります。つまり自分のひとつ下の入札状況によって支払う金額が決められるオークション方式です。
実際の広告費を計算してみると
上限入札単価 | 広告の品質 | 広告のランク | 実際の課金される金額 | |
広告A | 50 | 10 | 500 | 41円 |
広告B | 80 | 5 | 400 | 72円 |
広告C | 90 | 4 | 360 |
入札戦略の概要
Google広告に対して広告を入札する方法について理解を深める必要があります。
2025年現在では自動で「上限入札価格」を設定することが一般的になっています。
自動入札には、統計情報のみを利用して入札価格を調整する「通常の自動入札」と、コンバージョンデータに基づいて入札価格を調整する「スマート自動入札」の2種類があります。
入札戦略は全部で6種類
通常の自動入札には「クリック数の最大化」と目標のインプレッションを表示させる「目標インプレッションシェア」の2種類があります。
スマート自動入札は4つあり、「目標コンバージョン単価(CPA)」「目標広告費用対効果(ROAS)」と「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」です。
全体像を表で表すと下記の表になります。
入札で最も重要な指数はコンバージョン率
自動入札が上限入札価格を調整するために見ているデーターを「シグナル」と言います。沢山のシグナルがあるのでここでは割愛しますが、上限入札において一番重視しなければならないものは「コンバージョン率で上限入札価格は決まる」と言うことです。
ここでいくつかの指標を整理すると、
「コンバージョン単価(CPA)」は、「広告費」を「コンバージョン数」で割った数字です。
また「広告費」は「クリック単価」に「クリック数」を掛け合わせた数字です。
そして、「コンバージョン数」は「クリック数」に「コンバージョン率」を掛け合わせた数字です。
この数式を表で確認してみるとこのようになります。
つまり、「クリック単価」は「広告主が入力する金額」に「コンバージョン率」をかけたものであることがわかります。冒頭に説明した「コンバージョン率で上限入札価格は決まる」と言うことはこの式からも証明されるわけです。
広告の損益分岐ラインを理解する
キャンペーンを作成していると、入札戦略の目標値を設定する項目が出てきます。適当に目標値を設定することではなく、事業をしているのですから「損益分岐ライン」に基づいた目標値を入力する必要があります。
損益分岐ラインを決めるにあたって重要な数字として「粗利益」に対する「広告費」の割合を決定する必要があります。例えば、10,000円の販売価格で原価が5,000円なら「粗利益」は10,000➖5,000円=5,000円となります。大雑把に言うと5,000円までなら広告費をかけれも赤字にならないと言うことです(厳密には経費があるので5,000円かけると赤字にはなります)
「目標コンバージョン単価(CPA)は「ROI」から考える
先ほどの5,000円までなら赤字にならないというものをこのROI(Retern on Investment)と言う数字から説明すると、ROIが100%までなら赤字にならないと言うことです。
目標広告費用対効果(ROAS=ロアス)を理解する
「ロアス=ROAS」は投資した広告に対してどれくらいの売上を目標とするかの指標です。英語では「Return on Advertising Spend)つまり、広告費(Advertising Spend)に対してどれぐらい「リターン」があるのかと言うことです。
商品ごとに損益分岐ラインのROASの数値を把握し入札価格の上限を知る
限界値としてのROASを算出するためには、それぞれの商品のROIが100%の時のROASをあらかじめ把握しておく必要があります。ROIが100%の時のROASを把握することにより「上限入札単価」を知ることが可能になります。
広告の効果の計測方法
広告の投資対効果を測定するためには「コンバージョン」を計測する必要があります。計測方法は3つのタグをWebサイトに設置して「コンバージョン」を計測します。
コンバージョンの計測に必要な3つのタグ
Googleタグ | リンカータグ | コンバージョントラッキングタグ | コンバージョン|
役割 | コンバージョンの計測とリマーケティング用にブラウザーにCookieを発行 | 広告クリック時のパラメーターの値をCookieとして保存 | コンバージョンイベントの計測。Googleタグとセットで作動 |
設置場所 | 自社のWebサイトのすべてのページ | 自社のWebサイトのすべてのページ | コンバージョン完了ページ(サンクスページなど) |
「コンバージョン」計測の仕組み
Google広告の広告をクリックすると、Google広告のシステムがランディングページのURLにパラメーターをまず付与します。このパラメーターにはどの広告で広告がクリックされたのかという情報が格納されています。そのパラメーターをコンバージョンリンカータグがファーストパーティーCookieとして保存します。その後「コンバージョン」が発生すると、コンバージョントラッキングタグが発火し、ブラウザー上に保存されたさっきのCookie情報を読み取り、コンバージョンイベントとともにGoogle広告のシステムに送ります。Google広告のシステムに送られたCookieのIDは、もともとURLパラメーターから発番されたものなので、どの広告で「コンバージョン」が発生したかを判別できるのです。
Googleタグは「Googleタグマネージャー」で設置する
本来はGoogle広告の管理画面からWebサイトのソースコードを設置するのですが、現在は「Googleタグマネージャー(GTM)」を使って設置するのが一般的です。
広告配信レポートを理解しよう
Google広告は従来のマスメディア広告と違い、配信してから細かなチューニングをすることができるのが醍醐味です。実際に広告が配信されてから、どのキャンペーンのどの広告が売上に繋がっているのかを効果測定しましょう。
「先に知っておこう」で書いたように、統計情報の分析は「キャンペーン」「広告グループ」「ターゲティング」「広告」の各階層で統計情報を見ることができます。
管理画面で確認できる基本的な統計情報
表示回数 | インタラクション | インタラクション率 | 平均費用 | 費用 | コンバージョン | コンバージョン率 | コンバージョン単価 | コンバージョン値 |
広告が表示された回数 | キャンペーンタイプごとの固有のユーザーのアクション回数 | 「表示回数」に対して「インタラクション」が起こった回数 | 1回の「インタラクション」に対して支払った金額の平均 | 指定した期間中にしようされた費用の総額 | 広告を経由して発生したコンバージョンの数 | インタラクションに対して発生したコンバージョンの割合 | 1コンバージョンあたりの平均費用 | 1コンバーションの価値を入力。売上などの数値を入れるのが一般的 |
「分類」で統計情報をさらに細かく分析
「表示回数」「インタラクション」などの基本的な統計情報は「分類」を使用してさらに細分化してみることができます。
時間 | クリックタイプ | コンバージョン | ネットワーク | デバイス | 上部VSその他 | 広告のリンク先 | 広告フォーマット |
時間・日・月・4半期など | 広告の場所に応じて分類 | コンバージョンアクションの種類やかかった日数 | Google検索やディスプレイなど配信されたネットワークを指定 | パソコン・タブレット・モバイルの3種類 | 表示された場所に応じて統計情報を表示 | 広告ないのリンク先がWebサイトなのかアプリストなのか | 動画とデマンドジェネレーションの動画広告フォーマットに応じて分類 |
[検索広告」運用型広告の基礎編
Googleの検索結果に「スポンサー」というテキスト表示がされているのが「検索広告」になります。
検索結果の上部や中間などに「スポンサー」という表示がされますが、その表示の上からの順番は「広告ランク」により決定されます。
また、Google広告には「検索パートナー」というGoogleが検索技術を提供しているWebサイトがあり、そこにも広告が配信されます。(デフォルトでは「検索パートナー」がオンになっっていますが、キャンペーンの設定で配信をオフにすることができます。
検索広告の順位は「広告ランク」できまる
検索広告の掲載位置は「上限入札単価」と「広告の品質」の掛け算による「広告ランク」によって決まります。
ここで「広告の品質」を高めるために必要なことは、「検索語句との関連性を高めること」です。
「検索語句との関連性を高める」ことが「広告の品質」を高めることに重要な要素です。
具体的には、検索語句を広告の見出しや説明文に含めたり、ランディングページのタイトル・本文に含めるように意識することが必要です。
「品質スコア」で「広告の品質」に目安を確認
広告の管理画面では、検索キーワードレポートの「表示項目」から「広告の品質」の目安を目安を10段階で表した「品質スコア」を表示させることができます。
「品質スコア」の構成要素の「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の良し悪しを「平均より上」「平均的」「平均より下」の3段階で確認できます。
基本的には、自社の会社名・ブランド名・商品名を含む検索語句における「品質スコア」は高くなる傾向にあります。一般名詞の検索語句は意識して対応する「タイトル」や「ランディングページ」にすることが重要です。
検索「キャンペーン」の「ターゲティング」
検索広告は「キーワード」を登録して広告を配信します。
「キーワード」には広告を表示させる検索語句の範囲を設定する「マッチタイプ」が設定できます。
※キャンペーンタイプごとに配信先を指定する「ターゲティング」ができる。
ユーザーが打つ「検索語句」と広告主が設定する「キーワード」をどの範囲で一致させるかを決めるのが「マッチタイプ」ということです。
「マッチタイプ」の種類と検索語句のカバー範囲
完全一致 | フレーズ一致 | インテントマッチ |
キーワードと「全く同じ」意味または意図の検索語くが広告表示対象 | キーワードと「同じ意味」の内容を含む検索ごくが広告表示対象 | 指定したキーワードに「関連する」内容の検索ごくが広告表示対象 |
カバー範囲の例
完全一致 | フレーズ一致 | インテントマッチ | |
キーワード | [男性用シューズ] | [テニスシューズ] | [サッカーシューズ] |
検索語句 | 広告が表示されるシューズ 男性 | テニス用のシューズ | サッカーシューズ 練習用 |
男性 シューズ | テニスシューズ 購入 | サッカー スパイク | |
男性 靴 | テニスシューズ 赤 | フットボール スパイク | |
意味が同じであれば、語順や助詞の有無などは問わない | テニスシューズと別の単語が掛け合わせれた検索ごくも表示対象 | 「フットボール」「スパイク」など、関連した検索ごくも表示対象 |
キーワードの設定方法
検索広告は、検索語句との関連性を高めることがとても重要です。検索語句に対応した広告が表示できるように「キーワード」をグルーピングすることが重要です。(アマゾンの「ポートフォリオ」「キャンペーン」の概念同様)
当社運営の「e書棚」のカテゴリーを参考にグルーピングしてみます。
カテゴリー一覧 | |
スライド本棚 | ディスプレイラック |
文庫本ラック | 本棚付きデスク |
本棚 a4 深型 | 本棚 薄型 |
隙間本棚 | 押入れ本棚 |
回転本棚 | 本棚 北欧 |
本棚 扉付き | 本棚 アウトレット |
キャンペーン名 | 広告グループ | キーワード | マッチタイプ |
本棚 | スライド本棚 | 「スライド本棚」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 |
文庫本本棚 | 「文庫本本棚」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
本棚 a4 | 「本棚 a4」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
隙間本棚 | 「隙間本棚」「本棚 キャスター付き」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
本棚 扉付き | 「本棚 扉付き」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
ディスプレイラック | 「ディスプレイラック」「ディスプレイ本棚」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
本棚付きデスク | 「本棚 机」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
本棚 薄型 | 「薄型本棚」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
押入れ本棚 | 「押入れ本棚」「本棚キャスター付き」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 | |
本棚 北欧 | 「本棚 北欧」 | 「完全一致」「フレーズ一致」 |